× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 お題は、as far as I know さんからお借りしました。 古代勇者御一行で、ミトスとクラトスです。 クラトスが天使疾患発症してたら妄想、です。 すっと目元を拭う指先の温度に、ミトスは思わず彼の人を仰ぎ見た。彼のすらりと長い指は、繊細な剣技を武器とするために爪の先まで綺麗に切り揃えられているが、間違いなく旅慣れた男のそれで、近くで見れば少し荒れた様子が目に付いた。それでも、かさついた指先で目元のやわらかな皮膚を傷付けまいと、くすぐったい程丁寧に触れるその手付きは、そのままクラトスの優しさだ。 涙で滲んだ視界の中で、クラトスと目が合う。クラトスは困ったと眉尻を僅かに下げた表情のまま、誤魔化すように少し微笑んだが、その笑顔は今のミトスには到底受け入れられないものだった。じわりと染み出す涙を、零れる前にクラトスの指が掬い取る。ミトスはその指に己の指を絡めて、引き寄せようとぐいともう一方の腕をクラトスの身体に回した。残念ながらクラトスの身体は少しも揺らがなかったけれど、代わりにミトスがクラトスの胸に飛び込む。クラトスは当然のことのようにミトスの身体を受け止める。この人はこうしてちゃんと温かいのに、温もりを持ってミトスを包んでくれるというのに、今のクラトスはミトスの体温も、ミトスの涙の冷たさと温かさも感じないのだという。こんなにも悲しいことがあるだろうか、もどかしいことがあるだろうか。 「すまない、」 頭上から落とされた声にミトスは首を振る。許してくれ、と、まるでちっぽけな喧嘩の仲直りを求めるような、そんな響きだった。僕にあやまる必要はないでしょう?あなたが悪いわけでもないでしょう?どうしてそんな、僕にも分かるようなことが、あなたには通じないのだろう。物分りの悪い子どもの我が儘を聞いているかのようだった。そうミトスに思われているなど想像もしないだろうクラトスの指先が、無意識にミトスの頭を柔らかく撫でる。謝罪を求めてのものだったら、僕もちゃんとはねのけられたかな?ミトスは手の平の温度の心地良さに嬉しくなって悲しくなって、クラトスの胸に顔を押し付けて涙を押し殺す。クラトスの手付きは、決して上辺だけの下手な繕いではなくて、縋りつくミトスを精一杯に広げた器で受け止めてあげたい、そんな一途な彼らしいものなのだ。 僕はあなたの優しさは好きだけれど、自分を犠牲にしてまで僕たちを愛するあなたの我が儘を、赦したくはない、よ。 けれどもその言葉をクラトスに言う勇気はなく、これ以上彼の我が儘を聞くものか、と、耳を塞ぐふりをして、クラトスの身体を抱き締めるのだった。 *** クラトスも天使疾患発症してたら妄想です。 以下、こういう設定考えてるんだよね、の一片です。 ミトス達と出会う前に既にクラトスはエクスフィアを装備してます。通常のエクスフィアと思いきや、実はハイエクスフィアで、旅の過程で精霊と契約していく内に天使化が徐々に進行、とか、そういう妄想です。当時は封印があるわけではなく、精霊という純度の高いマナの塊と接したことでエクスフィアとの融合を促進され、とか、そういうこじつけ。こういうチマチマしたこじつけを考えてばっかいます。羽が生えるタイミングをあれやこれやと考えてるんですが、隠してたパターンと、精霊と契約した後にそういうムービー挿入されてミトスがはしゃぎ倒すっていうのと、考えてます。ただ、旅の初めから羽持ちだったら、エクスフィアが普通のと違うってわかってたし、もしエクスフィア装備=羽生える、の認識だったら、どんだけハイエクスフィア作れとんねん状態だし。四千年経った後もこれ!っていう製造方法が発見されてなかったのに、古代大戦終結間近でエクスフィアが発見されて実用化しようかな、でもまだ実験段階だしな、な状態(だと勝手に設定してます)なので、エクスフィア装備=羽、の認識は研究所でもなかった、とか。クラトスが装備した時はそういう症例すら報告されてなかった、とか。 PR |
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