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リハビリ中です。


とりあえず、我が家の中+日と巻き込まれやすい普。


色んなものの断片なんで、話自体は繋がってるとみせかけて、繋がってません。







その感情が嫉妬であることを、日本は今この瞬間、初めて自覚をした。感情が全身を駆け抜けて、潮が引くように身体の温度が冷えていった。残ったのは、首筋に泡立つ鳥肌と、一つまみの恐怖だった。

そもそも、嫉妬を抱くような素直で真っ当な器ではない。
羨むより先に分相応を勝手に脳が修正してしまう。嫉ましいと思うより先に諦めが顔を覗かせる。日本を形作る悉くが、人間性に欠けていた。彼は人の真似事すら不得手だったのだ。


プロイセンを師と仰ぐには、偏屈なプライドにしがみ付く程度に些か長く生きすぎていたし、プロイセンはプロイセンで弟子を求めていなかった。”あの”言動に反して、彼はあまり自己顕示欲が強い方ではなかったからだ。ただ、根っからの兄貴体質だったのだろう、訊ねられれば答え、分からなければ共に悩んだ。師弟関係よりも、多少なりは対等な関係を築いてはいたが、二人は決して同志ではなかった。互いが互い、己の為に相手を利用することしか考えていなかったからだ。同様に、友という括りでもなかった。何故と訊ねられても二人は模範解答を持っていないだろう。ただ断言することはできた。『わたしたちは、友ですらない』


二人を見て、日本は初めて兄弟というものを知ったような錯覚を抱いた。己には心の奥底では兄と慕う存在があるにも関わらず、兄と慕う存在から目をかけてもらっていたにも関わらず、だ。
それは正しく嫉妬であったろう。けれども、一体誰に何に向けられる醜悪な感情なのか、日本自身も分からなかった。ただただ、駆け抜けた衝撃と背筋を這いずり回った悪寒だけが、その感情の存在を如実に日本に語りかけてくる。『嫉妬なんて、なんとも見っとも無い』

彼らの間にルールや縛りなど、何もない。ないことこそが当然なのだ。大事大事に、何よりも誰よりも甘やかすその姿が、兄から与えられる親情を素直に嬉しいと微笑んで崇拝する姿が。それらは、それ以上でも以下でもなく、彼らの間に不変に横たわるものなのだ。
兄弟とは”ああ”なるべき存在だ。日本は独白する。”ああ”なるからこそ美しいのだ。けれどもわたしとあの人の間に横たわるのは、あのような甘やかさはない、優しくはない穏やかではない。変わらない関係など、夢物語の類ではないかとすら思っていたのに。だからわたしの手には腐臭がまとい付き、あの人の背中には大きな刀傷が残されたのか。わたしたちは、そこに存在するべき美を育むことができなかったのだ。



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