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カッとなってやった、今では後悔している。
だが、再犯しないと誓えるような自信がない。


というわけで(?)、ヘ タ リ ア 二個目です。
今度は独と日の話。でも独は出てきてないよ(またかよ)
枢軸で仲良くやってるのが好きなんです。
前は、『果たして、伊と日はくっ付くことが出来るのか!を独でけしかけつつ、自己満足に検証した』ので、今度は独と日がくっ付くにはどうしたらいいのか!を伊にぶつけさせてみた。









足早に退室しようとする日本をイタリアは呼び止めて、彼の逃亡を阻止した。日本は歩を止めて、一呼吸置いてからイタリアを振り返った。きっとあの一呼吸でため息を済ませたのだろう彼は、いつものようににこやかにイタリアに笑顔を向けていた。もう一度、「日本!」と声を上げながら、イタリアは彼の元へ走り寄る。

「ねえねえ日本、この後一緒にご飯に行こう?おいしいパスタなら言うことなしだけど、日本はおいしいものをたくさん知ってるから、何食べるのかは日本に任せるよ。ねえ日本そうしようよ、いいでしょ?ねえねえ?ドイツも誘って三人で、」

イタリアはそう口早に言って、日本の腕をぐいぐいと引いた。最初は、ああそれもいいですね、と頷きかけていた日本も、ドイツの名前が出た途端、一瞬だけその表情に影を落とした。すぐにまた繕うように笑顔を作ったが、その前後に彼の中でどのような答えの改変が行われたのか、日本と付き合いの長いイタリアは気付いていた。やんわりと腕に絡み付いているイタリアの指を解く日本の動作は、とても柔らかかったし優しかったし、穏やかだった。けれどもイタリアは、はっきりと日本に拒絶されているのだと覚った。だが、それで引き下がるイタリアではないのだ。

「えーどうしてー。まだドイツ誘ってないけど、きっと大丈夫だって。」
「だって、あなたの下心が丸見えですから。」
「えーなになに、下心って。」
「イタリアくんの好意はありがたく思いますけど、そういうの、わたしは苦手なんです。」

イタリアは、既に己の企みが彼に露見しているのだと気付き、隠すことを諦めた。

「だってさぁ、勿体ないと思うよ。日本はドイツが好きで、ドイツも日本が好きなのに、お互い全然そんな素振り見せないんだもん。日本はドイツに嫌われてない、って思ってるだけだし、ドイツはドイツで特別苦手意識されてない、ぐらいの認識なんだもん。」
「わたしはそれで十分なんですよ。」
「おれが、十分じゃないの!おれは二人とも大好きだから、大好きな二人がお互いのことを間違って認識してるのは悔しいの!」

分かった?とイタリアが彼の瞳を覗き込めば、日本は「イタリアくんは、ホントいい子ですねぇ~」とイタリアの頭を一撫でした。珍しい日本からの接触につい顔を緩ませてしまったイタリアは、彼からの愛撫を一通り堪能してから、「日本誤魔化そうとしてる!」と指を突きつけた。日本は珍しく流されなかったイタリアをふふ、と笑いながら、すいません、と僅かに首をすくめた。

「それなら、わたしの一番がドイツさんになってもいいんですか?わたしは恋愛には不器用な国ですから、きっとイタリアくんと過ごしていた時間も、全部ドイツさんの物になってしまいますよ。」
「それは困る!」

即答するイタリアを、微笑ましそうに眺める日本。かなわないなあ、とイタリアが思うのは、こういった時だ。話の論点をあやふやにしてしまうことが、彼は本当に上手かった。

「まあ、わたしの一番は、ずっと空席のままですけどね。だから、たくさんの二番を持ち得ることが出来て、あなた方に好きだと告げることができます。」

「けれど」、と日本は続けて、イタリアに口をはさむ時間を与えなかった。

「イタリアくんの一番はずっと前からドイツさんで、ドイツさんの一番もずっと前からイタリアくんなんでしょうね。そんな相思相愛のお二人に割って入るだなんて、無粋な真似は出来ませんよ。」

おれは日本もドイツも好きだから、日本の言う無粋なら大歓迎だよ!
そう言ってやろうと口を開いたイタリアだが、吐き出された音はそんな可愛らしい言葉を継いではくれなかった。

「愛は惜しみなく奪うもの、でしょ?」

日本はその言葉に目を見開いて、イタリアに、知っていたのですか?と問い掛けていたようだが、結局彼はその問いを口に出すことはなかった。イタリアが日本の作家の戯言を知っていたとしても、彼が吐いた台詞の意味は変わらない。彼が、その戯言に共感しているかどうかも、この際、関係はないだろう。

「それでもわたしは、愛とは穏やかな、優しいものだと信じたいのです。」

では、わたしはアメリカさんと先約がありますから、と踵を返した日本を、イタリアは追うことはなかった。イタリアは扉が閉まるその瞬間まで、彼の背を見つめ続けたのだった。







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『愛は惜しみなく奪う』の使い方間違えてますが、まあその辺りはスルーでお願いします。
独日は始まるまでが一苦労。
この話、続き書くとしたら、
伊日(ドイツさんの誤解)→独日(くっ付いたというかくっ付かされたと言うか。気付かされたというか押し付けられたというか)→幸せな独日恋人生活(昼と夜のギャップは物凄いと思う)→倦怠期(イタリアがいないと、何だかうまく回らない)→枢軸(結局三人の方がカチッと来るんじゃないか俺たちは。ええそうですね、どうしてでしょうか。)→伊独伊(とドイツ・イタリアの愛人・日本。どっちかの愛人なんじゃなくって、二人共の愛人なんです<それなんてカオス?)

多分、誰よりも難しいのはイタリーな気がする。書けん…!色々とすいませんっした!
あと、ヴェ~ヴェ~言わせるのが恥ずかしかったので(何その羞恥心)、誤魔化しました。脳内で補完して下さい(…)
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