カッとなってやった、今では後悔している。
だが、再犯しないと誓えるような自信がない。
というわけで(?)、ヘ タ リ ア を書いてみました。
伊と日が好きです。が、伊は出てきません。
短いです。
書き慣れてない雰囲気ぷんぷんしますが、まあその辺りはフィーリングで。
独が妙にお節介だったり、日が黒くて暗い気がします。既に捏造が始まってる…!
果たして、伊と日はくっ付くことが出来るのか!を独でけしかけつつ、自己満足に検証してみた。
「イタリアくんですか?ええ、もちろん好きですよ。」
日本は書類から顔を上げることなく、ドイツの言葉に答えた。その語尾は、「ああドイツさん、ここ、この部分、誤字してますよ。」と繋がっていて、つい日本の発言を脳の隅に追いやりそうになってしまった。会話の巧妙さは、ドイツでは足元にも及ばない。「どこだ?」と日本の手許を覗き込みながら、書類のページ数と間違えている箇所のメモを取りつつも、何とか話題を振り出しに戻さなければならなかった。
「それで、イタリアのことなのだが、」
と、再び話を蒸し返してやれば、日本はようやく書類から視線を外した。目の合うタイミングが丁度ドイツの言葉尻と重なり、思わず言葉を止めてしまった。続く言葉が見つからなかったのだ。それを汲み取ったかどうかは分からないが、日本は穏やかに微笑みながら、
「わたしはイタリアくんのことが好きなわけですから、それでいいじゃありませんか。」
ぴしゃりと会話の打ち切りを通告した。この話はこれまで、と日本が珍しくはっきりと意思表示したものの、ドイツには、どう思考を転換させたら『それでいい』に繋がるのかが分からなかった。ドイツが不可解そうに眉を顰めれば、その脳裏を読み取ったかのような正確さで、日本は言葉を継いだ。苦笑に含まれる彼の好意が、妙にくすぐったい。
「わたしはイタリアくんのことが好きで、ありがたいことに、イタリアくんもわたしに好意を抱いてくれているわけですから、だから、それでいいんです。」
イタリアが嫌っている相手に懐くなど考えられず、また、常日頃から、日本~好き好き、とハグをキスをと抱き締めているイタリアを見れば、彼の好意の深さは一目瞭然である。ただ、そうやって抱き付く相手は何も日本限りではないこともまた、確かであった。
日本は手元の資料を机でとんとんと整え、封筒に書類をしまった。「そろそろお暇しますね。」と日本が腰を上げる。ドイツは思わず、「日本!」と呼び止めたものの、その後に続く言葉はない。振り返った日本の顔には、にこにこと笑みが浮かんでいた。ドイツが言葉を継げずに母音を絞り出していると、「ドイツさん。」と日本の穏やかな声が、ドイツの呻き声を消した。
「わたしはこの『好き』を恋だの恋愛だの、そういったものと同義になるか考えたことはありませんし、考える必要もないと思います。」
恋よりも、色々と雑事で手一杯ですしね。出生率の低下及びそれがもたらす諸々の齟齬、食料自給率の低下、凶悪犯罪の増加に相次ぐ不祥事、ああ我が国のモラルの著しい低下も否めません、とまあこんな感じで、挙げれば両手両足でも足りません。日本はそれらを楽しげに指折りした。根の深い政治の闇に頭痛もするだろうに、それ以上に、仕事が絶えず与えられている状況を楽しんでいるようだった。
「ただ、そうですねぇ、イタリアくんは恋したものを好きだと言うんでしょうねぇ。それが物であったり人であったり、料理であったり文化であったり、芸術であったり。わたしたちのような、国であったり。」
それは、とてもうれしいですよねぇ、ねぇ?ドイツさん、と最後にドイツの名を呼んで、ぱたりと扉を閉めたのだった。
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日はさて置き、独があまりに偽物です、すいません。
枢軸でいちょいちょしてるのが好きです。
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