× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 鬼/滅の/刃で、さらに錆義です。 錆兎×義勇です。 あと、女体化です。 錆義の場合女体化にしなくてもいいんだけど、後々柱の人たちと絡めたいので、女の子になってもらいました。 身長が170ぐらいになっただけで、基本なんも変わらないです。 アスリート体型で、体脂肪率は一桁で妄想してます。どこもかしこも硬い。 逆行ではないですが、割とみんな生きてます。 ご都合主義と、みんな幸せ!が大好きなので。 でも、好きな子ほどいじめていじめていじめ抜いてのハッピーエンドが好きなので、途中シリアスもどきがちらほら顔を出すと思います。 とりあえず、好きなように、書きたいとこだけ書きます。 なので、急に始まって、急に場面が変わります。 あと、満足したらやめます。 一発目なので、錆義といったらここがスタートラインかな?っていうところから書いてみました。 時代考証というわけではないですが、時代の空気感的なものは『当世/白/浪/気/質』とか『大正/電/氣/バス/ターズ』を参考にしてます。当世~はちょっと時代が違いますが、まあ現代よりは近いでしょ、というまあ、適当です。好みの分かれる漫画ですが、私は好きです。 唐突に水の中に放り出されたような。 義勇が目を開けたのは、いっそそう表現されるような覚醒だった。手足は重く身体はだるい。なによりも頭がズキズキと痛んだが、意識だけがはっきりと目を覚ましていた。極力身体を揺らさぬように起き上り、目だけで辺りを見回せば、同世代の子ども達が数人ごとに肩を寄り添わせて座っていた。土とむせかえるような緑のにおいに、ここが山の中であることを思い出したところで、自分の手をぎゅっと握り締めている温もりに気付いた。錆兎――、と声を発しようとして、義勇は口を噤んだ。口よりも先に視覚が隣りの存在を認識したが、それは義勇が呼ぼうとした存在ではなかったからだ。誰だろうと無意識に首を傾げてしまったせいで、揺れた頭が痛んだ。思わず漏れてしまったほんの僅か吐息に、義勇の手を握っていた存在が身じろぎをした。 「お、起きたのか。あんまり動くなよ。」 彼は緩慢な動作で義勇の顔を覗き込んだ。顔色が悪い。着ているものは土や汗で汚れているし、目の下の隈は、薄ぼんやりとした月明かりの下でも分かる程に濃いものだった。 「体調はどうだ?お前、今までずっと意識失ってたんだよ。もうこの一晩で終わるからな、それまで頑張れよ。」 そうして、再び目を閉じようとしたしたが、痛む頭部の傷に構わず、義勇が震えながらも繋がれている手を勢いよく振り払ったせいで、それも叶わなかった。 「誰?錆兎は?」 彼は気を悪くした風もなく、苦笑しながら、所帯なくなってしまった手で頬を掻いた。 「俺は村田だ。錆兎からお前のことを頼まれて、こうして共にいる。周りも、錆兎に助けてもらった奴らだ。どこまで覚えてる?今日は丁度七日目の夜だ。」 この一晩を乗り切れば、俺たち全員合格だぜ、と力なく笑った村田に、義勇は同じものを返すことができなかった。頭の傷が痛んだが、構わずに立ち上がった。嫌な予感がする。死の気配だ。大切なものを失ってしまう。死んだらもう二度と、会うことも触れることもできないのに。 月はまだ天上にあった。鬼の活動時間だ。錆兎を探さなければいけない。ただただ、そう思った。怪我を負っている義勇が、鬼を狩っている錆兎と共にあったところで、足手まといにしかならないだろうに、義勇はとにかくそう思った。それだけを思った。頭は割れるように痛いが、痛みのせいで、意識は自分でも不思議なほどはっきりしている。痛みなど我慢しろ、しなければならない、もう失いたくないのなら。 後ろで村田の声が聞こえる。引き止める声だ、自分を心配している声だ。それすらも、今の義勇には分からなかった。駆けねばならない、と、どこへ向かえばいいのかも分からずに走り出した。手足が重い。息が詰まる。気持ちだけが急く。鍛錬が足りない、根性が足りない、気合いが足りない。足りないものだらけで、後悔ばかりがまとわりついて、自分の不甲斐なさに涙が出そうになったが、それを振り切って―――、 ドォン!と大きな衝撃音が辺りに響く。錆兎だと、何故だか確信した。義勇には師匠のような優れた嗅覚はなかったが、狭霧山の空気の薄い、方向感覚を狂わせる自然に囲まれた中で鍛錬したおかげで、感覚が鋭くなっていた。音の方へと駆ける、駆ける。錆兎、錆兎、と何度も心の中で唱えながら、足を叱咤しながらひたすらに走った。 その場に辿り着いた後は、無我夢中だった。我武者羅に走ったせいで息は切れていた。ただし、呼吸を整える暇はない。鬼の手に捕まっている錆兎はまだ意識はあるようで、刀を手放してはいなかった。刀身は折れて、短刀のような長さになってしまった刀を、それでも錆兎は握り締めていた。錆兎を絞め殺そうと、彼の身体に巻き付いている丸太のように太い腕には、くっきりと筋肉が盛り上がっている。義勇は、錆兎の名を呼んだのか、それとも言葉にならない音を叫んだのか、自分でも覚えていない。短く息を吐いて、次いで無理矢理に肺に空気を取り込む。肺がなまぐさい山の空気で満たされる、僅かな時間すら惜しい。義勇は思い切り飛び上がり、空中で技を放った。頸ではなく、錆兎を締め上げている腕めがけて。腕が切れて、血しぶきが舞って、解放された錆兎が空中で身をねじって。ああ、受け身を取る体力は残っていたのか、よかったな。義勇はそれらがゆっくりと流れていくのを、ぼんやり眺めていた。一瞬の無音。至近距離で聞いたはずの鬼の絶叫ですら、義勇の意識の外側にあった。どん、と鈍い音を立てて地面に落ちて、その後に全身に激痛が走った。頭はいっそう強く痛むし、酷使した足はがくがく震えているし、手は、ああかろうじて刀を握っている。手放そうものなら、折ろうものなら、先生に叱られてしまうからな。よかった、と息を吐いた瞬間、肺が悲鳴を上げた。無理矢理に呼吸を使ったツケだ。肺が大きく収縮して、息を吸っているのか吐いているのか、自分でも制御できずに大きく咳き込んだ。 「義勇!!」 と、耳に馴染んだ声に顔を上げたいのに、無茶をした身体は言うことをきかない。ぜいぜいと荒い息を吐くことしかできない義勇を、すぐ回復してしまう上に、複数の腕を持つ鬼が放っておいてくれるはずはない。立たなければ、立って、錆兎を助けて、二人で鬼を斬らなければ。鬼の声が聞こえる。己を挑発する言葉だろうに、義勇にはそれがただの音の集合体にしか聞こえなかった。 「義勇!」 先程より近くで聞こえた声に視線を向けるより先に、身体を持ち上げられ、そのまま茂みの中へともつれながら転がり込んだ。錆兎が義勇を抱えて、死角になる茂みの中へと身を隠したのだ。義勇を抱えたまま、徐々に鬼から距離を取る。今までの疲労もあるだろうに、錆兎は決して義勇を離さなかった。義勇は意識の落ちる間際、錆兎の顔を仰ぎ見た。それは、悔しさと無力さと、何よりも鬼の前から退くという、常に前に進むことを信条とする彼の葛藤からくる、苦悶に歪んだ表情だった。ああ、選ばせてしまった。男ならば、男に生まれたならば、と常に自分に課している彼に、義勇の命を。それでも、俺はお前が生きてさえいてくれれば、少しぐらい男らしくなくたって、ずるくたって、真っ直ぐに進めなくたって、ちっとも構わないのに。義勇はそれを彼に伝える術を持たない無力さに一筋涙を流して、意識を失ったのだった。 (この後、村田さん達が駆けつけてくれて、朝が来るまでみんなで全力鬼ごっこしました。この鬼はやっぱり炭治郎に斬ってほしいからなあ。あと、義勇さんが放った技は、イメージとしては水車です。) PR |
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